季節が秋から冬へと移り変わる時期は、朝晩の寒暖差や空気の乾燥など、体調管理に気を配りたい季節です。風邪やインフルエンザなどの感染症も増えてくるため、毎日の生活習慣を整えながら、日頃から体調を管理していくことが大切です。今回は、秋・冬に意識したい「基本の対策」と、世界各地で古くから暮らしに取り入れられてきた「植物の知恵」をご紹介します。
なぜ秋〜冬は風邪やインフルエンザが増えるの?
秋から冬にかけては、気温や湿度が低下し、呼吸器感染症が広がりやすい環境になります。
空気の乾燥
空気が乾燥すると、鼻やのどなど気道粘膜の防御機能が低下しやすくなります。鼻やのどの粘膜は、外から入ってくる異物や病原体から体を守る大切な「バリア」のひとつ。そのため、乾燥する季節には室内の湿度を適切に保つことが大切です。
低温・低湿度の環境
インフルエンザなど一部の呼吸器ウイルスは、低温・低湿度の環境で感染が広がりやすくなることが研究されています。冬は室内で過ごす時間が長くなり、人との距離が近くなりやすいことも感染拡大に関係します。
寒暖差や生活リズムの変化
季節の変わり目は気温差が大きく、体温調節のために体へ負担がかかりやすい時期です。さらに、睡眠不足や疲労、食生活の乱れなどが重なると、体調を崩すきっかけにもなります。
毎日の基本対策
特別なことを始める前に、まずは毎日の基本を整えることが大切です。
手洗いを丁寧に
外出後や食事前には、石けんと流水で丁寧に手を洗いましょう。
室内の湿度と換気を意識する
乾燥しやすい室内では、加湿器などを活用して適度な湿度を保ちましょう。厚生労働省では、50〜60%程度の湿度が目安として示されています。また、室内の空気を入れ替えるため、こまめな換気も意識しましょう。
食事・休養・睡眠を大切に
温かいスープや旬の野菜などを取り入れながら、さまざまな食品からバランスよく栄養を摂ることを心がけましょう。そして、十分な休養と睡眠も、健やかな毎日を支える大切な基本です。
先人たちの知恵。世界の植物を暮らしの中に
こうした基本的な生活習慣に加えて、世界各地で古くから暮らしの中に取り入れられてきた植物に目を向けてみるのも面白いものです。
アマゾンに伝わる樹液「コパイバ」
南米アマゾンをはじめとする地域に分布する、マメ科コパイフェラ属の樹木「コパイバ」。その幹から採取される天然の樹液は、アマゾン地域などで古くから暮らしに取り入れられてきました。文献には、皮膚や傷のケアをはじめ、喉や呼吸器などに関わるさまざまな伝統的利用が記録されています。現代でも研究が続けられている、アマゾンを代表する植物のひとつです。
※伝統的な利用についての紹介であり、特定の疾病に対する治療・予防効果を示すものではありません。
沖縄の豊かな恵み「月桃(ゲットウ)」
沖縄や九州南部などの暖かい地域に自生する、ショウガ科の植物「月桃」。爽やかで少しスパイシーな香りが特徴で、沖縄では昔から暮らしと深く結びついてきました。旧暦12月8日には、月桃の葉で餅を包んで蒸した「ムーチー」を食べ、家族の健康や無病息災を願う伝統行事があります。月桃にはさまざまな芳香成分やポリフェノール類などが含まれており、その特徴について研究も行われています。ハーブティーとして楽しんだり、精油の香りを暮らしに取り入れたりするなど、沖縄の植物を身近に感じながら楽しむことができます。
毎日の基本を整え、植物の知恵を取り入れる
寒さや乾燥が気になる季節。大切なのは、何かひとつの食品や植物に頼ることではなく、手洗い・適度な湿度・換気・バランスのよい食事・十分な睡眠と休養。まずは、こうした毎日の基本を整えることです。そのうえで、コパイバや月桃など、世界各地で大切に受け継がれてきた植物の知恵を、暮らしを豊かにするひとつの選択肢として取り入れてみてはいかがでしょうか。自然の力を楽しみながら、健やかな秋・冬をお過ごしください。
※本記事は健康に関する一般的な情報および植物の伝統的利用をご紹介するもので、疾病の診断・治療・予防を目的とするものではありません。
鎌倉ナチュラル 店主