仕事や家事が終わった夕方や夜。
「無性に甘いものが食べたい!」
「チョコレートやクッキーを食べ始めると、なかなか止まらない…」
そんな経験はありませんか?甘いものが欲しくなると、「自分の意思が弱いのかな」と感じてしまう方もいるかもしれません。でも、甘いものへの欲求には、脳の働きやストレス、睡眠、食生活など、さまざまな要因が関係しています。特に40代・50代は、仕事や家庭での忙しさに加え、睡眠や体調の変化を感じることもある時期です。疲れたときに甘いものが欲しくなる理由と、無理に我慢せず、体をいたわりながら取り入れられる食べ方の工夫をご紹介します。
疲れると甘いものが欲しくなる「3つの理由」
① 脳のエネルギーと空腹の関係
脳は、体重の約2%ほどの重さですが、安静時には体全体のエネルギー消費の約20%を占めるとされています。主なエネルギー源はブドウ糖です。ただし、頭を使ったからといって、脳のブドウ糖が急激に不足するわけではありません。長時間食事を取っていなかったり、十分なエネルギーを摂取できていなかったりすると、空腹感が強まり、甘いものを含む食べ物が魅力的に感じられることがあります。甘いものが欲しいときは、最後に食事をした時間や、その日の食事内容を振り返ってみることも大切です。
② ストレスと脳の「報酬系」
甘いものを食べると、ほっとしたり、気分が満たされたりすることがあります。これは、食べ物のおいしさや満足感に関わる、脳の「報酬系」という仕組みが関係しています。報酬系には、神経伝達物質のドーパミンなどが関わっています。ストレスがたまっているときには、甘いものや脂質の多い食べ物など、満足感を得やすい食品を求めることがあります。つまり、甘いものが食べたいという気持ちは、空腹だけでなく、心の疲れやストレスとも関係しているのです。
③ 睡眠不足や食生活による影響
実は、睡眠不足も甘いものへの欲求に関係しています。睡眠時間を短くした実験では、甘い味への好みや食事からのエネルギー摂取量が増加したという報告があります。また、甘い飲み物やお菓子など、糖質を多く含む食品を一度に摂ると、血糖値が比較的速く上昇することがあります。その後、血糖値はインスリンなどの働きによって調整されますが、血糖値が下がること自体が、必ずしも低血糖を意味するわけではありません。大切なのは、甘いものを避けることだけではなく、食事の間隔や栄養バランス、睡眠習慣を整えることです。
甘いものが欲しくなったときの「おすすめの食べ方」
甘いものを完全に禁止する必要はありません。大切なのは、食べる量や組み合わせを工夫し、無理なく楽しむことです。
自然な甘みと栄養を楽しむ
① ドライフルーツ
ナツメ、干しぶどう、イチジクなどは、自然な甘みとともに、食物繊維やカリウムなどを摂ることができます。ただし、水分が少ない分、糖質も凝縮されています。少量をゆっくり味わうのがおすすめです。
② 高カカオチョコレート
カカオ70%以上のチョコレートには、カカオポリフェノールが含まれています。一般的にカカオ含有率が高い製品は砂糖が少ない傾向がありますが、脂質やエネルギー量にも注意が必要です。少量をゆっくり味わうことで、甘いものを楽しむ時間をつくれます。
③ 焼き芋・蒸かし芋
さつまいもには、食物繊維やカリウム、ビタミンCなどが含まれています。甘みがあり、食べ応えもあるため、お菓子の代わりとして取り入れやすい食品です。糖質も含まれるので、量を調整しながら楽しみましょう。
④ バナナ
手軽に食べられ、糖質やカリウム、ビタミンB6などを補給できます。忙しくて食事の間隔が空いてしまったときにも便利です。ヨーグルトやナッツと組み合わせるのもおすすめです。
栄養バランスを意識した間食を選ぶ
⑤ 素焼きナッツ
アーモンドやクルミには、不飽和脂肪酸や食物繊維、ミネラルなどが含まれています。噛み応えがあり、少量でも満足感を得やすい食品です。ただし、脂質が多くエネルギー量も高いため、食べすぎには気をつけましょう。
⑥ 米麹甘酒(砂糖不使用)
米麹甘酒は、米のでんぷんが分解されてできたブドウ糖などを含む、自然な甘みのある飲み物です。砂糖を加えていない製品でも糖質は含まれるため、飲む量には注意しましょう。温めて少量を楽しむのもよいでしょう。
⑦ 柑橘類やキウイ
みかんやキウイなどの果物は、ビタミンCや水分、食物繊維などを補うことができます。爽やかな酸味は、気分を切り替えたいときにもぴったりです。
食べる前に、少しだけ気分転換
甘いものが欲しくなったときは、必ずしも空腹とは限りません。疲れやストレス、習慣によって、何かを食べたくなることもあります。そんなときは、次のような方法も試してみましょう。
① 温かいお茶を飲む
ハーブティーやノンカフェインのお茶をゆっくり飲み、ひと息つく時間をつくりましょう。
② 10〜20分程度の短い仮眠
日中の短い仮眠は、眠気や注意力の低下を和らげる助けになることがあります。夕方以降は夜の睡眠に影響することもあるため、時間帯に注意しましょう。
③ 深呼吸や軽いストレッチ
ゆっくり呼吸をしたり、肩や首を軽く動かしたりすることで、気分転換につながります。「今、本当にお腹が空いているのかな?」そんなふうに、自分の体の状態を確かめる時間をつくってみるのもよいでしょう。
40代・50代から意識したい、甘いものとの付き合い方
40代・50代は、生活環境や睡眠、体調などに変化が生じやすい時期です。更年期には、女性ホルモンの変動に伴って睡眠の質が低下したり、気分の変化を感じたりする方もいます。ただし、甘いものへの欲求がすべて女性ホルモンによるものとは限りません。まずは、毎日の生活の中で次のことを意識してみましょう。
- 朝食や昼食を極端に減らさず、規則的に食べる
- 主食・主菜・副菜を組み合わせ、栄養バランスを整える
- たんぱく質や食物繊維を意識して摂る
- 睡眠時間を確保し、疲れをため込まない
- 甘いものを食べるときは、量を決めてゆっくり楽しむ
食事や睡眠を整えることは、健康的な生活習慣の基本です。
甘いものを我慢するより、上手に付き合おう
疲れたときに甘いものが欲しくなる背景には、空腹やストレス、脳の報酬系、睡眠不足など、さまざまな要因が関係しています。だからこそ、甘いものを食べた自分を責める必要はありません。大切なのは、「なぜ今、甘いものが欲しいのだろう?」と、自分の体や心の状態に目を向けること。果物やナッツを取り入れたり、温かいお茶でひと息ついたり。ときには、お気に入りのチョコレートをゆっくり味わうのもよいでしょう。無理に我慢するのではなく、自分に合った方法で、甘いものと心地よく付き合っていきたいですね。
鎌倉ナチュラル 店主